実家のばあ様が退院してから、かれこれ3週間になるか。
姫と若を引き連れ訪ねいてみれば
杖を突くもいくらかは歩く姿を拝む事ができた。

だが折角の新築の家も
さすがに手入れする間もないと見えて汚れきっている。
ならばと、救世主の我々が3人がかりで大掃除。
あっちもこっちもピカピカにしましたぞ!

うんうん、偉いなぁ…姫はバイトの前に一仕事、
若もいつの間にか文句たれから卒業して
年寄りにも優しくなった。

帰り際、お気楽じい様、昼寝をしてるのを尻目に
家を出始めると、ばあ様が足を引きずりながら
追いかけてくる。
入院中に世話をかけたと、札を差し出すのだが
結構な大金…そんなもん貰えねえべ。
お断りするも、「どうしても」と利かない。
ではそれで気がすむのならと半分だけ受け取った。

駅までの帰り道、若が後ろからぼそりと嘯く。
「年寄りから金なんか受け取るなっつうの。」

『そうだよねぇ…』

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